
そこには、いまも現役で動き続ける ハイデルベルグ・プラテン が鎮座していました。
銀色のプレートに刻まれた“ORIGINAL HEIDELBERG”の文字。
油に黒ずんだ金属の質感。
そして、どこか誇らしげに立つレバーとローラー。
最新のデジタル機材には出せない、
「迫力」「重み」「歴史」
が、この一台にすべて凝縮されています。


写真に写ったハイデルは、長年使い込まれた機械だけが持つ“味”を纏っています。
・ローラーに残るインキのツヤ
・作業台の摩耗した傷跡
・電動モーター横に溜まった油の名残
・職人が何百回、何千回と触れてきたであろうレバーの握り
これらすべてが、
「ここで印刷が生き続けてきた」
という証そのもの。 ガシャン、ガチャン……と一定のリズムで動く音が似合う景色。
機械は古い。だけど、ただの古さではない。
長く戦い続けた道具だけが持つ、“現役の存在感”。
ハイデルの前に立つと、誰もが感じるのが
「機械とは思えない、生命感」。
機械なのに、職人の呼吸と同調して動いているようなリズム。
押し込まれた紙は、一枚ごとに微妙に表情が異なり、その“ゆらぎ”に惹かれる若いクリエイターも多くなりました。
Instagramでは活版の名刺が再評価され、
「これが欲しい」
と指名されるほど。 東大阪で動き続けるこのハイデルも、
そうした新しい需要に応えながら、今日も鉄の鼓動を響かせています。


活版製品(ミシン・ナンバリング 赤破線 部分)
東大阪の活版印刷は、いまも、確かに、息づいています。
<記事制作協力>
有限会社 コロナ印刷社 様