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ナイトタイム観光の新定番! 「プロジェクションマッピング」とは?

観光業界では、昼夜を問わず魅力的な体験価値の創出が求められています。

中でも注目されているのが、夜間の時間帯を活用した「ナイトタイム観光」です。特に、建築物や自然景観を活かした「プロジェクションマッピング」は、地域の魅力を視覚的に訴求できる手法として、観光プロモーションや都市ブランディングの分野で導入が進んでいます。

本記事では、そんなプロジェクションマッピングの魅力や活用事例について、わかりやすくご紹介します。

「ナイトタイム観光」の目玉として話題に

このところ多くの外国人観光客が日本を訪れています。彼らの間で「ナイトタイム観光」の目玉として注目されているのが「プロジェクションマッピング」です。

観光客誘致にとどまらず、地域活性化や産業振興につながるともいわれ、活用が進んでいます。具体的にどのような効果やメリットがあるのか、実例をもとにご紹介します。

ライトアップされた夜景やイルミネーションなどを楽しむ夜間の観光は、宿泊や飲食、交通など、さまざまな産業に波及効果を及ぼすとされています。

実際にロンドンやニューヨークなどの海外都市では、2~4兆円に上る経済効果があるとの試算も出ています。日本でも歴史的建造物や桜並木のライトアップ、クリスマスのイルミネーションなどが各地で行われていますが、海外に比べるとまだまだ後れを取っており、開拓の余地が大きい分野といえるでしょう。

その中で最近特に注目されているのが、プロジェクションマッピングの技術を活用した野外イベントや観光プロモーションです。

たとえば、2023年秋には熊本城の城壁や加藤清正像にプロジェクションマッピングを施すイベントが行われ、話題となりました。

最近では、東京都庁第一本庁舎をキャンバスにした通年開催のプロジェクションマッピングイベント『TOKYO Night & Light』が、大きな反響を呼んでいます。この取り組みは、東京の夜を彩る新たな観光資源として位置づけられており、光と音による多彩なアート演出が毎晩上映されています 。

「最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設)」としてギネス世界記録にも認定され、国内外の観光客から高い評価を受けており、都民広場などから自由に観覧できる点も魅力です。

さらに、外国人観光客の間で「日本へ行ったら絶対訪れるべき場所」として人気を集めている、チームラボのエンターテインメント空間でも、プロジェクションマッピングの技術が多用されています。

ただのライトアップとはどこがどう違う?

では、そもそもプロジェクションマッピングとは、どういう技術なのでしょう?

単なるライトアップとはどう違うのでしょうか? 

プロジェクションマッピング(Projection Mapping)とは、プロジェクターなどの映写機器を用いて、建物などの立体物にCG(コンピューターグラフィック)映像を投影する技術のことで、

別名「3Dマッピング」とも呼ばれます。マッピングには「地図をつくる」から派生して「位置を割り当てる」という意味があり、投影する立体物の表層に映像素材を配置して張り合わせることを表します。

スクリーンなどの平面に投影するのとは異なり、凹凸のある面に投影するところに特徴があります。

映像素材にあらかじめ対象物の凹凸に合わせたデザインや立体・表面情報を組み込み、投射の際にぴったり重なり合うように調整します。

すると、映像の変化によって、対象物が立体的に動き出したり変形したりして見え、幻想的な映像体験が楽しめます。

いわゆるライトアップとは、単なる照明の照射か対象物に合わせた映像の投影かという点に違いがあり、より斬新で迫力に満ちた空間体験を提供することができます。

50年以上前からある技術が大きく進化

もともとプロジェクションマッピングの考え方のベースは50年以上前からあり、

1969年にオープンした米ディズニーランドのアトラクションでもその技術が応用されています。

その後、プロジェクターやコンピューター、インターネットの普及に伴い、主に舞台やアートの分野で映像表現の手法として利用され、やがて歴史的建造物への大規模プロジェクションイベントなどが行われるようになりました。

さらに、2000年代に入ってそれらの映像が動画配信サービスで拡散されるようになり、世界的に注目を集め、国際大会なども開かれています。

日本では、2012年に東京駅の丸の内駅舎で行われた大規模企画に計2万人以上の人が集まり、一気に知名度が上がりました。その後、イベントやアミューズメントパークなどで、イルミネーションとともに光の演出として頻繁に取り入れられるようになりました。

プロジェクションマッピングはもともとデジタルアートの表現方法の一つですが、最近ではそこから進化して、没入感のある体験を提供する「イマーシブ」なコンテンツや、センサー技術を活用した鑑賞者参加型の「インタラクティブ」なものなども続々登場。教育、スポーツ、医療、福祉など、アートやエンターテインメント以外の分野にも広がりを見せています。

観光プロモーションや地域活性化などに最適

プロジェクションマッピングは、建築物などの「リアル」と映像という「バーチャル」が融合した、迫力あふれる映像表現により、見る人に強いインパクトを与えることができます。その空間に身を置くだけで、子どもから大人、高齢者まで、だれでもそれを体感可能。幅広い層の集客効果が期待できるのです。

既存の建物を使うとなると大がかりな装置や仕掛けが必要と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。建物の正確なサイズや形状の情報に基づいて、あらかじめ専用のソフトで投影したいCG映像を生成し、それに合ったプロジェクターを設置すればOK。終了後の撤収もスムーズです。

さらに、投影対象にほとんど手を加える必要がなく、終わればすぐに原状回復できるので、お城や橋、歴史的建造物などをそのまま活用することができます。企業イベントのほか、観光プロモーションや地域活性化イベントなどにも最適といえるでしょう。

前述の「熊本城プロジェクションマッピング」は、2023年10~11月に熊本市内で開催された大型イベント「くま博」の実施時期に合わせ、市から夜間の観光客誘引を促す「ナイトタイムエコノミー活性化」を目的とした施策提案の要請があり、弊社が企画・制作を担当しました。

地元の雄・加藤清正公が残した功績を身近に感じてもらおうと、全長242mの長塀に8台のプロジェクターを使って、戦国時代の合戦や熊本城築城の様子などを絵巻物風のプロジェクションマッピングで投影。

また、加藤清正像周辺では、人の動きに合わせて4種類の映像コンテンツが変化するインタラクティブムービーを流し、鑑賞者が気軽に参加できるファンタジックな空間演出を行いました。ほかにも、城彩苑前広場で和傘ライトアップを実施するなど、一体的な光の演出が評判となり、たくさんの来場者を集めました。その結果、市内滞在を促し、ナイトタイムエコノミーの活性化にもつながりました。

<「熊本城プロジェクションマッピング」について詳しくはこちら!>
市内滞在喚起策企画運営業務「熊本城プロジェクションマッピング」 – 株式会社DNPプランニングネットワーク

弊社は旅行商品の販促活動を通じて培ったプランニング力と実績をベースに、DXソリューションを活用して地域活性化を支援しています。デジタル分野にも力を入れ、プロジェクションマッピングをはじめとする、最新技術を駆使した観光プロモーションの企画提案から制作まで、ワンストップでサポートします。

詳しくは、下記「お問合せはこちら」よりお気軽にご相談ください。

<記事制作協力>
株式会社 風来堂/塩田真美

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