
スマートフォンを使った情報取得の手段として、「NFCタグ」と「QRコード」は多くの場面で目にする存在になりました。これらの技術は店舗の決済、観光案内、イベント受付、商品パッケージなど、身近なところで活用が進んでいます。
当記事では、NFCタグとQRコードの基本的な違いを整理した上で、読み取りやすさやコスト、耐久性などの観点から、活用シーン別の選び方を紹介します。自社や店舗、イベントにNFCタグやQRコードを活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
1. NFCタグとQRコードの違いは?
1-1. NFCタグとは
1-2. QRコードとは
2. 【比較】NFCタグとQRコードはどっちが便利?
2-1. 読み取りやすさ
2-2. コスト
2-3. 耐久性
2-4. 更新のしやすさ
2-5. セキュリティ
3. NFCタグとQRコードのおすすめ活用シーン
3-1. 決済
3-2. 名刺・会員証
3-3. イベント・キャンペーン
3-4. 商品パッケージ
まとめ

NFCタグとQRコードは、どちらもスマートフォンで情報を取得できる非接触技術ですが、仕組みと使い方が異なります。
NFCタグはスマートフォンを「かざす」だけで情報を読み取れるのに対し、QRコードはカメラを起動して「スキャン」する操作が必要です。また、NFCタグはICチップを内蔵した媒体である一方、QRコードは印刷や画面表示が可能な画像データです。
ここでは、NFCタグとQRコードそれぞれについて詳しく解説します。
NFCタグとは、「Near Field Communication(近距離無線通信)」という技術を使ったICチップ付きのタグです。スマートフォンを数センチ以内に近づけるだけで、ウェブサイトURLやテキスト情報を読み取れます。
電源を必要としないものが一般的で、名刺、カード、ステッカーなど形状も多様です。読み取り距離が短いため、意図しない読み取りが起こりにくく、観光案内や会員証、決済などで活用が進んでいます。
QRコードとは、「Quick Responseコード」の略で、白黒の格子状パターンを持つ二次元コードです。スマートフォンのカメラで読み取ることで、ウェブサイトへのアクセスや情報表示が行えます。
印刷や生成が容易で、チラシ、ポスター、商品パッケージなど幅広い場面で利用されています。一度印刷したQRコード自体は変更できませんが、リンク先を工夫することで運用の柔軟性は確保できます。導入コストが低く、多くの端末で利用できる点が強みです。

NFCタグとQRコードのどちらを選ぶとよいかは、「誰が・どのような場所で・どのくらいの期間使うか」によって変わります。ここでは、読み取りのしやすさやコスト、耐久性など、実務で判断しやすい5つの観点から、NFCタグとQRコードを比較します。
読み取りやすさという点では、一般的にNFCタグのほうが操作がシンプルです。NFCタグはスマートフォンをかざすだけで反応するため、カメラの起動やピント調整が不要で、短時間で情報にアクセスできます。駅の改札やキャッシュレス決済と同じ感覚で使えるので、初めての利用者も直感的に扱えるでしょう。
一方、QRコードはカメラでの読み取りが必要で、暗所や逆光では読み取りにくくなることもあるので、設置環境によってはNFCのほうが安定します。
コスト面では、一般的にはQRコードが有利です。QRコードは無料で生成でき、印刷するだけで利用できるため、大量配布や短期キャンペーンに向いています。
一方、NFCタグはICチップを内蔵しており、1枚あたり数十円~費用がかかるのが一般的なので、チラシなど大量配布を前提とする場合はコストが膨らむ恐れがあります。ただし、長期間使い回す場合や再印刷を減らしたい場合は、NFCタグのほうが結果的にコスト効率が良くなるケースもあります。
耐久性については、一般的にNFCタグが優れています。樹脂製やラミネート加工されたNFCタグは、水濡れや摩擦、汚れに強く、屋外設置や長期利用に適しています。
QRコードは紙への印刷が多く、雨や紫外線、破損によって読み取れなくなるリスクがあります。誤り訂正機能はありますが、一定以上損傷すると使用できません。観光案内板や常設設備など、交換頻度を下げたい場面ではNFCタグを選ぶとよいでしょう。
情報更新のしやすさでは、NFCタグが便利なケースが多くあります。NFCタグはスマートフォンだけで内容を書き換えられるため、URL変更や案内内容の差し替えを即時に行えます。
QRコードの場合、印刷済みのコード自体は変更できないため、再印刷やシールの貼り替え、リンク先でのリダイレクト設定が必要です。イベント情報や多言語案内など、内容変更が想定される運用では、NFCタグの柔軟性が管理負担の軽減につながるでしょう。
セキュリティ面では、一般的にNFCタグのほうが安心だとされています。NFCは数センチ以内でしか通信できないため、意図しない読み取りや盗み見が起こりにくい点が特徴です。また、タグによっては書き換え防止やアクセス制御を設定できます。
QRコードは誰でも読み取れる反面、悪意あるリンクへの差し替えリスクがあり、設置後の管理が必要です。ただし、どちらも万能ではないため、用途に応じた運用ルールの設計を行いましょう。

NFCタグとQRコードを実際に導入するときは、「どの場面で使うか」を具体的に想定することが重要です。読み取りの流れや設置場所、利用者の行動、導入後の運用負荷によって、適した手段は変わります。
ここでは、決済や名刺、イベント、商品パッケージといった代表的な活用シーンを取り上げ、それぞれの特性がどのように生かされているのか解説します。

決済シーンでは、操作が短くスムーズに進められるNFCタグが便利です。スマートフォンをかざすだけで支払い画面を起動でき、カメラ操作が不要なため、混雑する店舗やイベントでも回転率を高めやすくなります。
一方、QRコード決済は導入コストが低く、専用端末や電源を必要としない点が強みです。キッチンカーや出張販売など、仮設環境でも始めやすく、少人数運営でも対応できます。即時性を重視するならNFC、導入の手軽さを優先するならQRコードといった使い分けを行うのがおすすめです。

名刺や会員証では、体験のスマートさやデザイン性を出しやすい点でNFCタグが活用されています。カードをかざすだけで連絡先やSNS、Webページを表示でき、情報更新も後から行えるため、紙の差し替えを行う必要もありません。
一方、QRコードは相手の端末や設定を問わず利用できる点が強みです。NFCに不慣れな相手でもカメラ操作で対応できるため、初対面や不特定多数とのやり取りでは安心感があります。どちらを選ぶかは、関係性や利用者層に応じて判断するとよいでしょう。
イベントやキャンペーンでは、広く告知したい場合はQRコード、体験価値を高めたい場合はNFCタグが選ばれやすい傾向があります。
QRコードはポスターやチラシに印刷しやすく、大量配布や掲示に向いています。一方、NFCタグは「かざす」という行為自体が体験になり、即時抽選やスタンプラリーなど参加型施策と相性が良い点が特徴です。現地で行動を促したい場合や、回遊性を高めたい企画ではNFCが効果を発揮します。
商品パッケージでは、コストと汎用性の面からQRコードが多く使われています。印刷で対応できるため、製造工程への影響が少なく、商品情報やキャンペーンページへの導線を手軽に追加できます。
一方、NFCタグは特別感や差別化を演出しやすい点が特徴です。かざすだけで動画や詳細情報を表示できるため、ブランド体験を重視する商品や限定企画に向いています。量産品ではQRコード、付加価値訴求や体験重視の商品ではNFCといった使い分けがおすすめです。
NFCタグとQRコードは、どちらも手軽に情報へアクセスできる便利な技術ですが、適している用途はそれぞれ異なります。
NFCタグは「かざすだけ」で操作できる手軽さや耐久性、情報更新の柔軟性に優れており、長期利用や体験価値を重視する場面に向いています。一方、QRコードは生成・導入コストが低く、幅広い端末で利用できる点が強みで、短期施策や大量配布が必要な場面で便利です。
業務効率化と顧客体験の向上を同時に実現したい場合は、QRコードに加え、次の一手としてNFCタグ決済の導入を検討することがおすすめです。DNPプランニングネットワークでは「NFCソリューション」を提供していますので、詳しくは下記よりお気軽にお問い合わせください。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
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