スマホ決済や電子チケットなど、デジタルツールの進化のおかげで、私たちの日常生活はどんどん便利になっています。中でも今注目されているのが、タッチするだけでさまざまな機能を利用できる「NFCタグ」です。とりわけ観光の分野で大きな効果を発揮することが期待され、熱い視線を集めています。
本記事では、NFCタグとはどういうものなのか、導入するとどのような効果やメリットがあるのかをご紹介しましょう。
そもそもNFCとは「Near Field Communication」の略で、近距離無線通信のこと。
スマートフォン(スマホ)やICカードなどを近づけるだけで情報のやり取りができる便利な技術です。
非接触型ICの一種で、Bluetoothと違ってペアリングしなくても、かざすだけで瞬時に通信できます。タッチすれば支払いができる電子マネーやクレジットカード、かざせば入出場できる交通系ICカードなど、すでに私たちの日常生活のさまざまなシーンで使われています。
そのICチップとアンテナを埋め込んだカードやシールをNFCタグといいます。電源不要で、スマホなどのNFCリーダーから電波を受け取ることで動作します。
よく似たものとして「QRコード(※)」がありますが、こちらは二次元バーコードをカメラで撮影して、そこから該当サイトに遷移するというプロセスが必要です。一方、NFCタグの場合、数センチ以内に近づけるだけで読み取り可能なのでカメラも不要。スピーディに情報にアクセスできます。
(※)QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
また、近距離で情報をやり取りするため、盗み見や不正読み取りなどの危険性が少なく、高いセキュリティを提供します。さらに、消費電力が少ないという利点もあり、導入コストも低いため、さまざまな分野で急速に導入が広がっています。
なぜ今、観光業界でNFCタグが注目されているのかというと、旅行や宿泊などのシーンにマッチする特徴がたくさんあるからです。特に、観光の現場では利用者に提供したい情報が増加する一方で、人手不足による業務の効率化や迅速化、さらには外国人観光客への対応などが求められ、さまざまな課題に直面しています。
そこで、具体的な導入例をもとに、これらの問題を解決する方法やメリットを探っていきましょう。
1.紙の観光ガイドやパンフレットが不要に
旅行の際はできるだけ荷物を少なくしたいもの。観光名所の見どころやイベントなどの情報がNFCタグにより、現地で読み取れるようになれば、観光客がかさばる観光ガイドやパンフレットなどを持ち歩かずにすみます。
2.デジタルクーポンやスタンプラリーで集客率アップ
NFCタグを活用することで、デジタルクーポンやスタンプラリーなど、スマートフォンを活用した販促活動が容易になります。これにより、高い集客効果が期待できるでしょう。
3.キャッシュレス決済で省力化や無人化が可能に
NFCタグを使うことで、飲食店や物販店、チケット売り場などでのキャッシュレス決済がスピーディかつスムーズに行えます。時間短縮や業務の省力化、さらには無人化が可能になり、人手不足を補うことができます。また、観光客も財布を持ち歩く必要がなくなり、利便性が向上します。
4.多言語化によって外国人観光客にも対応
NFCタグで閲覧できるスマホサイトの情報は多言語への翻訳が可能なため、外国人観光客にとって非常に便利です。旅先で知りたい情報に自国語でスムーズにアクセスできれば、満足度アップは間違いありません。低コストでインバウンド需要に対応できます。
NFCタグは旅行会社にとっても業務効率化や販促力の向上に役立つ実用的なツールです。
情報提供の手間を減らしながら、顧客との接点を増やし、マーケティング施策の質を高めることができます。こうしたメリットから、店頭プロモーションや営業現場などでの導入が着実に広がっています。情報提供とマーケティング、それぞれの活用例を紹介しましょう。
1.最新料金情報をリアルタイムで提供
旅行代金や宿泊料金は日々変動するため、紙のパンフレットでは対応が難しいことがあります。
そこで、店頭のポスターやPOPにNFCタグを組み込めば、スマホをかざすだけで専用サイトにアクセスでき、最新情報をスムーズに提供できます。
これにより、スタッフの説明負担も軽減され、顧客満足度の向上にもつながります。
2.利用データをマーケティングに活用
NFCタグの利用履歴から、アクセスされた場所や時間帯、閲覧されたコンテンツなどのデータを収集できます。これらの情報を分析することで、顧客の興味関心や行動傾向を把握し、より効果的な販促施策や商品企画に活かすことができます。
私たちは、旅行パンフレットやチラシ、ポスター、動画など、販促ツールの制作において豊富な実績と専門知識を持ち、株式会社JTBの店頭販促ツールの制作実績も豊富です。最近では、NFC技術を活用した店頭販促ツールの企画・制作にも取り組んでおり、実際にJTBの店舗においてNFCタグを活用した事例があります。
「ポスターやパンフレットだけでは伝えきれない情報も顧客に発信したい」という課題を解決するため、「店頭POP」やパンフレットラックに差し込む「背面バックボード」にNFCタグを組み込み、専用のスマホコンテンツを作成して 、スマホをかざすだけで旅行代金などの最新情報にアクセスできるようにしました。
店頭POPに貼り付けたNFCタグのシールはわずか4cm未満。
裏面に貼り付けるだけなので、二次元バーコードと異なり、デザインの邪魔にもなりません。
顧客はスマホ一つで手軽に必要情報が確認できるようになり、課題の解決につながりました。
タッチするだけで情報を簡単に取得できるこのシステムは、観光客の体験を一変させる可能性を秘めています。手軽さと便利さを兼ね備えたNFCタグの技術は、観光プロモーションの新たな武器となるでしょう。
たとえば、NFCタグを地域の観光案内版や観光マップに活用して、スポットごとの見どころやイベント、周辺の飲食店や宿泊施設などの情報を提供するとか、土産物店の店頭POPに組み込んで商品の詳しい説明や製造者の想いを届けるといったことも可能です。
ほかにも、クーポン配布やキャンペーンなど、さまざまな使い方ができます。
しかも、低コストで導入できるので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
弊社は旅行商品の販促活動を通じて培ったプランニング力と実績をベースに、DXソリューションを活用して地域活性化や観光プロモーションを支援しています。デジタル分野にも力を入れ、NFCなどの先端技術を活用した観光ビジネスの提案や販促ツールの企画・制作を行っています。
ご興味をお持ちいただけましたら、下記「お問合せはこちら」よりぜひお気軽にご相談ください。
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<記事制作協力>
株式会社 風来堂/塩田真美